1878年の著書「分光器の使い方 あらゆる種類の分光器を使った実際的な操作マニュアル / How to Work With the Spectroscope:A Manual of Practical Manipulation With Spectroscopes of All Kinds」で分光法の分野の概要を説明し、この本は分光学者の間でよく知られるようになりました。
ちなみにこの本はその後も長く版を重ね、現在でもアマゾンなどで手に入れることが出来ます。
ブロウニングは会社を1900年には W. Watson & Sonに引き継ぎ、1925年に推定94歳で亡くなります。また、彼の会社は当初ロンドンのマイノリーズ111番地にありましたが、1872年にストランドに移転します。よって今回ご紹介する分光器に刻まれた「JOHN BROWING」「138 STRANDLONDON」の刻印は1872年から1900年まで使われたと考えられます。本体に刻まれた「7229」の詳細は不明ですが、おそらく製造番号かデザイン番号と思われます。今回ご紹介する分光器は、おそらく1872-1880年代頃、ストランドに移転後、彼が前述の著書をまとめたあたりの製品と推測いたします。
商品説明
123-154英国アンティーク ケース入り直視分光器
◆Antique Victorian Spectroscope with Case by JOHN BROWING◆
今回はなかなかマニアックな器械のご紹介です。
「分光器」ご存じでしょうか。
英語では「Spectroscope」。そして今回ご紹介する筒状のタイプは「直視分光器」といいます。
まずは意味を調べてみましょう。
日本大百科全書より「直視分光器」
~直視プリズムを用いた分光器。手持分光器ともいう。普通、長さ10センチメートル程度の筒状で、固定あるいは調整できるスリットと短焦点のコリメーターレンズおよび3ないし5個構成のプリズムからなっている・・・(以下略)~
現代は様々なタイプの分光器がありますが、この直視分光器はもっともシンプルな物といえます。学校の授業などで行われる初歩的な使い方としては、蛍光灯の光の観察、太陽光の観察、ナトリウムの炎色反応の観察などがあげられます。分光器を通してみる「虹色の光=スペクトル」の配分によって、対象物がどんな性質かを検察することが出来ます。他には石種を断定する手段の一つとなるため、宝石鑑定などでも使われています。
ちなみに直視分光器は、現在でもほぼ同じような形のものが販売されています。
試しに光に向けて覗いてみると、確かに虹色の光を見ることが出来ました。写真に写すのはなかなか難しいのですが、一応載せておきます。ただ、申し訳ないのですがこの分光器がどこまで正確か、というのは、検証ができませんのでどうかご了承ください。
さて、分光器のご説明を一旦終了し、今回ご紹介する品物をみてみましょう。
茶色のオリジナルケースを開ければ、中は濃紺のシルク張り。金色に筒形の分光器が現れます。
分光器本体には以下の文字。
JOHN BROWING138 STRANDLONDON7229
「John Browning/ジョン・ブロウニング」とは英国の発明家であり、精密科学機器の製造者であった人物です。
1831年頃、航海計器の製造者である父のもとで、イングランドのケント州に生まれたブロウニング。始めは医師を目指しましたが断念し、父の事業に加わりましたが、船舶用機器の製造における競争が激化したため、科学機器の設計と製造に転向します。1856年には事業を継ぎ、1872年にかけて多数の科学機器の設計に関する特許を取得。1862年ロンドンで開催された万国博覧会で賞も受賞しています。彼の機器は分光器、望遠鏡、顕微鏡、気圧計、光度計、カメラ、検眼鏡、電灯など多肢に渡りました。
そのなかでも分光器は最高品質とされ、王立協会でも展示された実績を持ちます。
1878年の著書「分光器の使い方 あらゆる種類の分光器を使った実際的な操作マニュアル / How to Work With the Spectroscope:A Manual of Practical Manipulation With Spectroscopes of All Kinds」で分光法の分野の概要を説明し、この本は分光学者の間でよく知られるようになりました。
ちなみにこの本はその後も長く版を重ね、現在でもアマゾンなどで手に入れることが出来ます。
ブロウニングは会社を1900年には W. Watson & Sonに引き継ぎ、1925年に推定94歳で亡くなります。また、彼の会社は当初ロンドンのマイノリーズ111番地にありましたが、1872年にストランドに移転します。よって今回ご紹介する分光器に刻まれた「JOHN BROWING」「138 STRANDLONDON」の刻印は1872年から1900年まで使われたと考えられます。本体に刻まれた「7229」の詳細は不明ですが、おそらく製造番号かデザイン番号と思われます。今回ご紹介する分光器は、おそらく1872-1880年代頃、ストランドに移転後、彼が前述の著書をまとめたあたりの製品と推測いたします。
かつてどんな人がこの分光器を使っていたのでしょうか。ヴィクトリアンの後期、最高品質の分光器を手にして、わくわくしながら様々な観測を行っていた英国紳士の姿を想像してしまいます。
これからは貴方のもとで。小さな分光器を手にし、観て測り、知る事の悦びを追体験してみてはいかがでしょうか。
◆England
◆推定製造年代:c.1872-1880年代頃
◆素材:真鍮、ガラス、他
◆ケースサイズ:幅約11.2cm 奥行き約3cm 高さ約2.5cm
◆本体サイズ:直径約1.8cm 長さ約9.7-12.5cm
◆ケース込み総重量:87g
◆本体のみ重量:59g
◆在庫数:1点のみ
【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、変色等がみられます。詳細は画像にてご確認ください。
*ケースの金具はきちんと動作し、安定して閉まります。
*分光器自体の伸縮は問題なく、レンズに欠けやヒビはございません。
*覗けば虹色の光をみることができますが、分光機能の正確性に関しては保証できかねます。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
全国一律送料無料にてお届けいたします。
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